夢藤哲彦の日々の活動から 驚いたこと発見したことを書いて いきます
2022年10月〜 トップ ページ

ラヴェルはオケ編曲参考に 2022年9月22日(木)
ラヴェル「クープランの墓」メヌエット
学生時代に見学したピュイグ=ロジェ先生
公開レッスンを思い返してみます。
太字は ロジェ先生のアドバイス)

ラヴェルのオーケストラ編曲を参考にする
録音だけでなく 実演を聴くと良い



旋律は オーボエ。少し刺すようなタッチ。
メヌエット冒頭YouTube
アタックくっきり、立ち上がりのよい音色。
低音は音階進行で下行上行…晴朗な性格。
ラヴェルのピアノ曲は 低音に注目!


楽譜書き込みなし…私が練習するなら)
フレーズ出始め 迷うので ドレミで丸暗記。
イメージするのは、低音から 和音全部。
1拍目ウラの移動 弾かないで触る練習。
各フレーズ最後の調・終止形確認。


4つの声部が「同じレガート」「同じ重さ」
盛り上がっても 合奏の厚み。たたかない。

一番上のメロディーを目立たせる としても
管楽器四重奏は 独特のベタ塗りの響き。


遠い音 背景
1拍めウラ 2拍めウラ 弾かないで触る練習
手が跳ぶので 勢いよく振り下ろしやすい。


右手は 鍵盤の底を 突き抜けて弾くくらい
左手は 伴奏の強弱! ハープ はじく音

長いデクレッシェンドは 計算して最後を絞る


ジャズのように なまめかしく
柔らかく 官能的で あってほしい。
「ジャズのように」は 分かりにくい…
ガチガチのクラシックの和音でない?
音形のリズムがルーズというか「柔軟」?
ラヴェル ヴァイオリンソナタ第2楽章冒頭
「ブルース」に 偶然 似ている YouTube
低音 ピチカート
左手 はじく音+管楽器…合体音色。
この部分のクリュイタンス指揮の演奏
空気感が 素晴らしい。YouTube

オーケストラ再現が 最終目標でありません。
「ピアノ向きに翻訳する」のが 大切。
ベートーヴェン ピアノ協奏曲第4番
参考図書の使いごこち
2022年9月11日(日)
ベートーヴェン ピアノ協奏曲4番は素晴しい。
でも 練習中に 時々迷う…さあ どうする?
 
Peters社楽譜 老舗出版社の見やすい楽譜。
書き加えられた強弱のせいで オケと合わせて
強すぎ弱すぎに なるかもしれない。
カデンツァなし。

Henle社楽譜 ベートーヴェンの意図に
近づけた 新しい楽譜。
Peters楽譜とは 音が 数か所違う!
弱音ペダル離す踏む位置も 約1小節ずれる。
ベートーヴェンのカデンツァあり。

指番号 楽譜の指番号は 納得できにくい。
時間かけて 自分の指番号見つける とよい。
長い音階 弾き始めから法則通りが自分好み。

スコダ「提案」
ふに落ちない音で迷った時 とても役立つ。
全部この通りにできないけれど。
PDF 44頁なので 印刷した方が見やすい。
スコダ ベートーヴェン ピアノ協奏曲 今井 で
検索。今井先生サイトからダウンロード。
  
ブレンデル「楽想のひととき」
ベートーヴェン演奏について 専門的な論文。
たった一行の仮説でも 目を見開かされた。
・協奏曲の強弱記号 オケとのバランス悪い。
・リタルダンド、すぐさまゆっくり徐行の
 リテヌートを 含むかも。


アラウとの対話
ピアノ協奏曲4番をオルフェオの物語に
たとえている。

キャラクター付け、物語進行は必要かも。

ツェルニー ベートーヴェン 全ピアノ曲の
正しい演奏法

ベートーヴェンの弟子ツェルニーによる
ワンポイントアドバイス。
スコダが注釈する おすすめの速さ
ふだんから参考にしている。
親切に導き、演奏の味に こだわった本。
ツェルニー練習曲からは 想像つかない…
本番に向けて「こだわる」少なく 2022年8月17日(水)

演奏の本番が 近づいたら
「細部にこだわった」練習 少なくしていく

ピアノの先生に話すと 全員キョトン、
ふに落ちないようです。

本番に向けて こだわるを多くしたら 危険!
1931年(20歳代後半)ホワイトハウスの
リサイタルで ホロヴィッツは
ずっと練習し続けていたフレーズを
イライラして ごちゃ混ぜにしてしまった…

(ミルスタイン ロシアから西欧へ 386頁)
1932年
おすすめスケジュール、私の場合は
・本番1ヶ月前までに 仕上げる
テンポ、体の使い方、暗譜分かれ道、表現
・「間違えずに&音楽的に弾く」の両立
・条件を変える練習
スマホ録画、部屋変えて、本番の服靴髪

最後の10日
・詰め込むのは おしまい
固める確認するが 中心
傷を見つけたら 埋めるけど
・練習量若干減らす 疲労少なく

本番
・10分弾いた体の状態 作って
・本番からは 逃げられない…
腹をすえて シンプルに集中
練習の積み重ねに 導かれるように弾く
豪快な芸術家 2022年8月5日(金)

ヴァイオリニストの佐藤陽子さんが
亡くなられました。2000年から20年以上
ピアノ伴奏させて頂きました。

佐藤陽子さんが伴奏に求めたのは
「小さくて 大きい」伴奏!
伴奏強すぎ 厳禁! ヴァイオリンを
邪魔しないよう「常に」見張っている


そして 豊かな音楽で支えてほしい。
ボリューム豊かに!

かなり困った注文で…解決方法は
・伴奏する音色を選択、
・和音バランス 考える
・伴奏のヴァイオリン音域 目立たなく…

右手小指を伴奏の音色にするでしょうか。

佐藤陽子さんといえば、豪快な人柄
極端なエピソードで申し訳ないですが…
夜遅く ご機嫌な佐藤さんから電話。
リンゴ追分の調は 美空ひばりさんと同じ。
今から歌うわ。

と電話の受話器から オペラの声で
フルボイスの「リンゴ追分」 驚きました。

佐藤さんとの共演は 貴重な思い出で
幸せでした。ありがとうございました。
ご冥福を お祈りしております。
壁画描くように 2022年7月21日(木)
ピアノ協奏曲をオーケストラと弾く時
ソロ演奏より 1段階強く と思っています。
オーケストラのスコアを見て
ピアノの強弱を書き込んでいくのですが…
スコアの見た目と オケの生演奏は 全然違う!

1)全員合奏は「圧」あり

ソロ部分は あまり弱音では いけません。
もちろん弱音ペダルですが、語りかける
ものでなければ なりません…
(アラウ)
ベートーヴェンの強弱指示は ここにないので
音色・強弱・キャラクターは 自分で決める。

2)管楽器の和音合奏は「響きの煙幕」

管楽器和音は 他のパートを隠してしまう。
ピアノのメロディー…短い音は指上下だが
長めの音は、ゆっくり下げて
鍵盤の底を感じて貫いて
地球の裏側まで弾くつもり


3)弦楽器全員ピチカートには「広がり」あり

40人の「」が 舞台全体に広がる。
ピアノソロは 大空間に壁画を描くように。

ベートーヴェンのピアノ協奏曲第4番にも
ピアノが 大きくなりすぎる部分が あります。
それについては、後日。
生演奏の奇跡 2022年7月8日(金)
秋に演奏する ベートーヴェンのピアノ協奏曲
第4番、コンサートの生演奏を 聴きました。

福間洸太朗さんは 美しい音色で別格の気品。
広上淳一さん指揮の日本フィルは フレーズの
味が濃く、奇跡のひとときでした。

終楽章 残り50小節、ふっと一息つくところで
客席が 唖然とした空気に 包まれ…
コンサートの だいご味ですね。

おかげさまで、練習、表現、まとめ方の
アイデアが いろいろ浮かびました。
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